開かずの資料室 |
備品を置いてある倉庫の奥に、昔は「資料室」として使っていた部屋があります。
昔は、というのは、今は誰も出入りする者がいないからです。
なんでも、ずっと以前に女子社員が大切な書類を無くし、泣きながら資料室を探し回ったのですが見つからず、とうとうそこで自殺したらしいんですね。
それからは資料室に一人でいると、「見つからない。どこへいったんだろう。どこにしまったんだろう。」って、女の子の悲しい声がするそうですよ。
もう今は誰もその部屋に出入りしないのだから、資料室としての役目を果たしていないのに、誰もその中の資料を処分しようとする者がいません。
その女子社員に恨まれるような気がしてね。誰も手が出せないですよね。
それで、今は「開かずの資料室」と言われています。もう、その存在を知る人も少なくなりましたねぇ。
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危険なコピー室 |
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コピー室。知ってますね。
よく行く人と、全然使わない人がいると思うけど。
気をつけたほうがいいですよ。
あなたがコピー室をよく利用するのであればね。
あそこに置いてあるコピー機はね。
時々悪さをするんですよ。
コピーをしていると、原稿のかわりに自分が吸い込まれてしまうんです。
足をとられるんですね。
命に別状はないんだけどね。
コピーされてでてきた画像がね。
・・・・・これが不気味なんだよね。
そういや、あのコロ部長も以前吸い込まれたことがあるんですよ。
その時にできたコピーが、「コロ拓」として今はコロミー商事のロゴになっているんだから、世の中わからないものだよ。
思いがけず、コロ部長が剛毅だということがわかるエピソードだね。
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水の出ない噴水 |
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コロミー商事の中庭に、噴水があるんです。あまり目立たないけどね。
噴水というのは、力の象徴なんだそうですよ。
水は高い所から低い所へ流れていくのが自然の理。重力があるからね。
それをあえて高いところまで持っていって噴き上げる、噴き上げさせることができる、というところが力のある証拠らしいんだ。
ローマには噴水があちらこちらにあるらしいよ。強大だったローマ帝国の名残なのかな。
コロミー商事にも昔、そういう権力志向の人がいたらしいんだ。
わざわざ、周りの景色とまったくそぐわない噴水なんかつくるんだからね。
でも、あの噴水。水が出ているところを見たことないだろう?
私も入社以来1度も目にしたことがないよ。
壊れているのをそのままにしている、という噂もあるけどね。
業者さんに来てもらっても水が出ない理由がわからないらしい、というのがもっぱらの通説だね。
水が出ていない乾ききった噴水ほど、悲しいものはない。
廃墟を感じさせる。
ローマとは国が違うけど、「つわものどもが夢のあと」とつぶやきたくなるね。
あまり、会社にとってはいいものではないね。
そういえば、この噴水。ひとりでに水が流れることがあるらしいんだよ。
だけど、水が出たときには良くないことが起こるらしいから、気をつけたほうがいいよ。
中庭から水の流れる音がしたら、とりあえず逃げることだね。
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人を吸い込むサーバー |
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これは謎なんだよね。
サーバーってあるでしょう?コンピュータの。
コロミー商事の場合は、営業部の中に設置してある。
うちの会社のシステムの要ですよ。
そのサーバーがね。人を吸い込むらしいという噂があるんです。
というのも、時々サーバーの前に靴が脱いであるらしいんだよね。それもサーバーに向かって脱ぎ捨ててある。
まるで、サーバーの中に入っていったみたいだ。「リング」の貞子の逆バージョンだね。
いったい、その靴の持ち主はどこへ行ってしまったんだろうねぇ?
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あるはずのない地下室 |
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うちの会社のビルは地上5階建。これはよく知っているね。
地階、というのはないはずなんだ。
エレベータの階数表示も「B」の文字はない。
だけど、時々「B1」というボタンが現れることがあるらしい。
残業して夜遅くなったときに、よく見るらしいよ。
以前、ある人がエレベータに乗ったら「B1」のボタンがあったんだ。
その人は中途採用で入ったばかりで、前の会社の癖が残っていたらしいんだな。
前の会社では、地下が駐車場になっていたらしい。車で通勤していたんだね。
それで、何の気なしに「B1」のボタンを押してしまった。
押してから血の気が引いたらしいよ。この社屋に地下はないはず、って気が付いたんだね。
エレベータは地下1階に到着した。
扉が開いて・・・・・・その人は戦慄で鳥肌がたったまま「閉」ボタンを押し続けて扉をそのまま閉め、1Fまで戻ってきたんだって。
地下には何があったかって?
それを話さないまま、その人はまた転職していってしまったんだよ。
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いるはずのない社員 |
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ずっと昔にいた社員らしいんだけどね。それこそ創業メンバーだった、という噂がある。
もう、この会社にはいない「コロ野」という社員がいたんだよ。
今は何をしているのか、誰も知らないんだよ。もう相当年寄りだっていう噂もあるし、
いやいや外の世界で一旗揚げるんだってコロミー商事を飛び出して今は独立してバリバリやっているんだっていう人もいる。
でも、その「コロ野さん」自身を知っているものは誰もいないんだよ。
なのに、電話がかかってくるんだ。
聞いたこともない会社から「コロ野さん、いらっしゃいますか?」って。
ごく普通に、何の疑いも持たない声で電話してくるんだ。
そういう社員はいない、というと、みんな「えっ!」と絶句してしまう。
「ついこの間お会いして名刺交換したんですが」
という人もいたよ。
いったい「コロ野さん」というのはどこで何をやっているんだろうねぇ?
いまだにコロミー商事の名刺を使ってビジネスをしているんだろうか?
怖い話だ・・・。
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常に不在の社長 |
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どこの会社でも、社長というのは何の仕事をしているのかわからない謎の人という面があるだろうね。
特に、一介の社員にとってみたら社長なんて雲の上の存在だから。
実際はとっても忙しいらしいんだけどね。会合とかであちこちに行っている場合がある。
社長室でふんぞり返っているだけの社長じゃ、その会社の未来はないね。
だから、社長の姿を見かけないっていうのは、普通のことかもしれないんだけど。
うちの会社の場合はちょっと普通じゃないかもしれない。
社長が姿を見せなくなって、もう何年になるだろう?
どんなに忙しい社長だって、新年の年頭の言葉くらいは社員に直接語るだろうに。それももう何年もない。
もしかしたら、すでに・・・・・おっと、こんなことは口に出してはいけないね。
くわばらくわばら。
まぁ、社長室の面々がちゃんと経営をみていることだし、姿が見えないってだけで問題はないんだが、なんとなく「謎」な感じがするよね。
なんたって、このコロミー商事は創業者も突然姿を消したくらいだから、
きっと何かある
これは間違いないだろうね。
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